しゅう酸ナトリウム
製品安全データシート

JUNSEI
                                                                    
1, 化学物質等及び会社情報

会社名 : 純正化学株式会社
本社住所 : 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町4-4-16
電話番号 : 03-3270-5426
FAX 番号 : 03-3270-5418
担当部門試薬部担当者 : 菅野英奇
住所 : 〒343-0844 埼玉県越谷市大間野町1-6
緊急連絡 : 電話番号 0489-86-6161
         FAX 番号 0489-89-2787
作成日 : 2000 年10 月24 日
整理番号 : 37120
製品名(特級) : しゅう酸ナトリウム Sodium oxalate
(一級) しゅう酸ナトリウム
                                                                    
2, 組成、成分情報

単一製品・混合物の区別:単一製品
化学名:しゅう酸ナトリウム
別名:しゅう酸二ナトリウム
化学式:Na2(COO)2
CAS No:62-76-0
含有量:(特級) 99.5%以上
(一級) 99.0%以上
化審法:2-922
安衛法:公表
                                                                    
3, 危険有害性の要約

分類の名称
1. 急性毒性物質。
危険性 ― 危険度を0~4 の5 段階で表示
火災2(危険)
人体2(危険)
反応2(危険)
1. 可燃性である。
2. 健康に有害である。
有害性
◇吸入した場合
1. 健康に有害な物質で、この粉塵および蒸気は眼、気道、肺および皮膚を刺激する。
2. 一般に飲み込んだ場合のみ、中毒症状を考慮に入れる必要があるが、例外的に、この物質の粉塵の強
い曝露があったときも中毒症状が考えられる。
3. 不溶性のシュウ酸カルシウムが生成することにより、組織内のカルシウムが奪われることおよび種々の器
官、特に腎臓内に蓄積することにより傷害が起こる。
4. 眼、鼻および咽頭の粘膜ならびに皮膚の炎症,刺激性咳,頭痛,吐き気,呼吸障害。
5. 重症の場合および飲み込んだ場合、筋肉機能の障害、循環および呼吸機能の不全、昏睡、死。
◇飲み込んだ場合
1. 胃腸管壁に重度の障害が加わる。
◇皮膚に触れた場合
1. この粉塵および蒸気は皮膚を刺激する。
2. この固体と接触すると、眼と皮膚に強い刺激がある。
◇眼に入った場合
1. 粉塵および蒸気は眼を刺激する。
2. 固体と接触すると眼に強い刺激がある。
                                                                   
4, 応急措置

◇眼に入った場合
1. 眼と接触したときは、眼を10~15 分間水で洗浄する。
2. そのため、まぶたを親指と人さし指で拡げ、同時に眼をあらゆる方向に動かす。
3. 医師を災害現場に呼ぶ。
◇皮膚に付着した場合
1. この物質でぬれた衣服部分、靴および靴下をただちに脱がせ、それらを遠ざける。
2. この物質と接触した身体部位を水で洗浄する。
3. 医師の診断を受ける。
◇吸入した場合
1. 傷病者を新鮮な空気の所に移し、安楽に待機させ、窮屈な衣服部分をゆるめてやる。
2. 呼吸停止の場合、ただちに呼気吹き込みまたは器具による人工呼吸。
3. 場合によっては酸素吸入。
4. 医師の診断を受ける。
5. 傷病者を冷さない。
6. 嘔吐の場合、少なくとも頭部を横に向ける。
7. 意識喪失の危険がある場合、待機および搬送は安定な側臥位で行う。
                                                                   
5, 火災時の措置

消火方法
1. 小規模火災では、粉末消火剤、水または二酸化炭素。
2. 大規模火災では、水、耐アルコール泡または水噴霧。
3. 容器を水噴霧で冷却する。
4. できれば危険地域外に移す。
消火剤
1. 粉末、水、二酸化炭素、耐アルコール泡。
                                                                   
6, 漏出時の措置

1. 危険なくできるときは、漏洩部をふさぐ。
2. 飲料水、用水および冷却水の取水者に了解を得る。
3. この物質が加熱される場合、すべての発火源を取り除き、危険地域の乗物を移動させる。
4. 防止堤で囲み、ポンプで汲みとる。
5. 居住地域および工業地域において、流出したこの物質が加熱される場合または暖かい日には、すべ
の低い場所の空間をふさぐ。
6. すべての発火源を取り除く。
7. 必要な場合発火危険を回避するため、流出したこの物質を水で希釈する。
                                                                    
7, 取扱い及び保管上の注意

取扱い
1. 刺激性。
2. 有害性固体。
3. 粉塵の吸入を避ける。
4. 眼、皮膚、衣服との接触を避ける。
5. 取扱後完全に洗浄。
保管
1. 吸湿性。
2. 密封。
3. 冷乾燥場所に保管。
                                                                    
8, 暴露防止及び保護措置

◇安全管理上の留意事項
1. 危険地域内では、ただちに周囲の空気に依存しない(重装備の)呼吸防護器具および全身防護服を着
用する。
2. この液体が加熱される場合、発火物を除去し、機械を停止し、喫煙を禁止し、裸火を消し、電気器具お
よび火花発生を伴う開閉器を作動させない。
3. 防災活動に無関係なすべての人々を風上側に遠ざける。
4. 流出したこの物質が下水溝に入るときは、下水と健康に有害で腐食性の混合液を発生することに注意
する。
5. 水路では航行を遮断する。陸上では危険地域を遮断する。居住地域の住民に警告する。
6. 強く加熱される場合および火災の場合、健康に有害で爆発性の空気との混合気が発生する。
7. この場合、大きな安全地帯を設定し、かつこの物質が比較的多量放置されているの場合、広域災害
警報発令を検討する。
設備対策
1. 換気。
2. 安全シャワー。
3. 洗眼器。
◇安全管理・ガスの検知
1. 測定器
2. 検知管
3. 冷乾燥場所に保管。
保護具
1. 呼吸用保護具。
2. 保護手袋。
3. 安全ゴーグル。
                                                                    
9, 物理的及び化学的性質

外観等:白色の結晶性粉末。
比重又は嵩比重:1.010
溶解度
1. 水に可溶。水100g に20℃で3.7g、100℃で6.33g 溶ける。
2. エタノールおよびエーテルには不溶。

10, 安定性及び反応性

◇加熱・燃焼
1. 加熱される場合、健康に有害で爆発性の蒸気・空気混合気が生じる。
2. 蒸気は空気より重く、地表に沿い、這うように動く。
3. 高温の表面、火花または裸火により発火。
◇水との接触
1. この物質は水より重く、下に沈む。
2. 水に完全に溶け、水と健康に有害な混合液が生じる。
◇空気との接触
1. 健康に有害な可燃性固体。
2. この粉塵が舞い上がるとき、健康に有害で爆発性の粉塵・空気混合物が生じる。
                                                                    
11, 有害性情報

◇皮膚に触れた場合
1. この粉塵および蒸気は皮膚を刺激する。
2. この固体と接触すると、眼と皮膚に強い刺激がある。
◇眼に入った場合
1. 粉塵および蒸気は眼を刺激する。
2. 固体と接触すると眼に強い刺激がある。
◇吸入した場合
1. 健康に有害な物質で、この粉塵および蒸気は眼、気道、肺および皮膚を刺激する。
2. 一般に飲み込んだ場合のみ、中毒症状を考慮に入れる必要があるが、例外的に、この物質の粉塵の強
い曝露があったときも中毒症状が考えられる。
3. 不溶性のシュウ酸カルシウムが生成することにより、組織内のカルシウムが奪われることおよび種々の器
官、特に腎臓内に蓄積することにより傷害が起こる。
4. 眼、鼻および咽頭の粘膜ならびに皮膚の炎症,刺激性咳,頭痛,吐き気,呼吸障害。
重症の場合および飲み込んだ場合、筋肉機能の障害、循環および呼吸機能の不全、昏睡、死。
◇飲み込んだ場合
1. 胃腸管壁に重度の障害が加わる。
急性毒性(RTECS)
◇静脈注射
ヒトLDLo 17mg/kg
◇腹腔内注射
マウスLD50 155mg/kg
◇皮下注射
マウスLDLo 100mg/kg
                                                                    
12,環境影響情報

◇分解性:知見なし。
◇蓄積性:知見なし。
◇魚毒性:知見なし。
                                                                    
13, 廃棄上の注意

1. 不活性雰囲気下で、適当な溶剤中で、乾燥ブタノールに注意しながら添加する。
2. 化学反応が激しく、発熱する。
3. 燃え易い水素および炭化水素ガスの排気に対する準備が必要である。
4. この溶液を酸水溶液で中和する。
5. 固形残渣をろ過し、危険物廃棄処理地に埋める。
6. ろ液はアフターバーナーおよびスクラッバー付きのインシナレーターの中で焼却。
                                                                    
14, 輸送上の注意

1. 荷役中の取扱いは慎重丁寧にし、落下,衝撃等により容器を傷め内容物を飛散しないよう留意する。
2. 直射日光を避け雨水等による水濡れを防止する。
3. なるべく食品との混載を避ける。
国連分類:クラス 6.1(毒物)
国連番号:2449(しゅう酸塩類・水溶性のもの)
                                                                    
15, 適用法令

◇毒物及び劇物取締法:第2 条別表第2 劇物(蓚酸塩類及びこれを含有する製剤。ただし蓚酸として
10%以下を含有するものを除く)
◇TSCA:62-76-0
◇EINECS:2005503
                                                                    
16, その他の情報

参考文献
①化学品安全管理データブック(化学工業日報社)
                                                                  
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